14歳 千原ジュニア

ダウンタウンの松本から始まり、お笑いには生まれながらにして奇想を笑いにする天才がいます。フォークダンスde鳴子坂、千原兄弟のジュニアもその一人だとぼくは思っています。

この小説は一気に読みました。一つ一つの単語の使い方(穴、橋など)がとても上手で、構成も練られている。なにより、引きこもっている主人公のつらさ、脱出する喜びなどが本当に伝わってきます。圧巻は「お兄ちゃん」に誘われて吉本の養成所に行き、初めてネタを披露する場面。ぼくはてっきり千原は小学生くらいからすごい才能があって周りを笑わせてきたのかなあ、と思っていましたが、そうではなかったんですね。
また、普通ならその辺で終わりにするところですが、自立するところまで書ききっているのが、またすごい。
ぼくは基本的に、映画やましてや小説などで泣いたことはありません。でも、今回だけは悔しいですが、月並みな言い方をします。「涙で字が読めない」。手で涙をぬぐっていると、本屋の店員さんが怪訝な顔をしていました。
立ち読みかい!

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