構成の実現の仕方

では、具体的にどのように構成はつくられるものなのでしょうか。
まずは、ある程度アイデアがそろったところでそれらを集めてみます。
次に、わかっている範囲で、要素をストーリーで並べてみます。
そして、流れが変わるところで、大きく3つに分けてみる
それぞれのかたまりに名前を付けてみます。かっこいい名前ではなく、流れが具体的にわかるように。例えば「出会いから最初の別れまで」「逃亡から再会まで」など。
そしてそのかたまりの中で、今度は中くらいの固まりにアイデアを分けます。おそらくそれがシーンになると思います。そしてそれぞれのシーンに名前を付けます。

はじめはこれだけでは物語は生成されないと思います。
しかし、大まかな流れはできたことと思います。わからない場合は、思い切って順序を変えてみるとよいでしょう。
そうするうちに、シーンからシーンへ移るまでに足りないシーンが見えてくるはずです。
例えば「出会いから片想い」というシーンの次に「相思相愛から別れ」があるとすれば、その間に「片想いから相思相愛へ」が不足しているとわかるはずです。これが1つかもしれないですし、2シーン足りない場合もあります。
自ずとそのシーンを加えなければならず、およそそれがどんな形で必要かも見えてくるでしょう。
見えてこなければ、アイデアを考える作業に戻ります。
もちろん、不足していたシーンの中身もアイデアを出す必要があります。

つまり、こうすることで脚本全体の中での幕の意味、シーンの役割が明確になるのです。
意味や役割のない幕・シーン・デハケ・セリフは存在してはならないのです。なぜならそれは演出や役者、スタッフに無価値なものを引き渡すことになります。彼らは観客に対して無価値な時間を1秒たりとも提供することを許されないわけですから、当然何らかの意味を加える責任が発生します。それ以前に脚本に無意味な時間があるとすれば、それは脚本家の責任放棄。それは彼らから二度と信用されません。