アイデアはどこから

脚本の書き方、その2。と言うか、前回の前の段階について。
前はアイデアをいかに集めるかと言うことでしたが、そもそもアイデアはどこからでるかというのが今回の話。
正直言うと、これが一番難しい。いや、どれも難しいんですが、説明の仕方が難しい。
アイデアの素地は、知識と発想にあります。いかに奇抜なアイデアも、豊富な知識(経験を含む)なしには出ないです。かといって、知識だけでは学者になってしまうので、日頃から他の人とは違う発想をしておく訓練、もしくは天性が必要です。
それは何で作るかというと、1つにはあなたが「おもしろい」と思った人、思っている学問を追究することです。おもしろい人というのは(当然ですが笑わせてくれる人ではなく)、通学・通勤など日常の中で気になる人のこと、学問とは例えば天文学、考古学、物理学など、あなたが「世界の不思議」について考える入り口になる分野です。
もちろん、映画や小説などもよいのですが、往々にしてその作風や発想の範囲でしか、あなたのアイデアも出てこなくなります。コピーバンドではなく、オリジナルの楽曲で人を感動させたいなら、むしろそう言ったものは忘れた方がよいでしょう。と言うか、そう言うものが好きならそれをそのまま舞台に持って行けばいいのです。
そして脚本のアイデアを出すために、何よりも大切なことは、演劇の力を信じることです。あなたの空想を現実の中で再現する唯一のメディアは演劇のみです。小説は文字を使って読者の頭にあなたの世界を再現すること、映画はスクリーンの中に再現すること。でも演劇だけは舞台の上という限定された空間とはいえ、まさに現実の時間と空間の中にあなたの世界を再現できます。
つまり、あなたは自分の好きなこと、こうありたい、こうあって欲しいと思ったことを現実に再現する権限を与えられたのです。であれば、最大限の能力と努力を以て、よいアイデアを抽出したいでしょ?
…次のテーマは「何を書くか」です。副題は「イイタイコトなんかくそくらえ」です。脚本はプロパガンダのためにあるのではありません。では次回。