ハーメルンの笛吹き

平日の7時45分なら、毎日です。地下鉄の人々、パート9。
琴似駅の改札を出て、すぐのところで20〜25才くらいの女性がベンチにたむろしています。
そこへ現れるのが、身長190cmくらいの女性。
バレーボール選手でもやっていたかというような、背の高さ、そして細さ。
問題は、この方は毎日現れるのに対し、集まる女性たち(ふつうの人たちなのに、小さく見える)人たちが毎日違うこと。

バイトで集まっているのでしょうか。それにしては年齢層が比較的高めで、「フリーター」という感じではない。そして皆、和気あいあい。
昨日、その後どうなるのか観てみました。
ある程度人が集まったところで、190cmの女性がポケットから横笛を取り出しました。
そして軽やかにメロディーを。
吹きながら玉光堂横の階段から外へ。もちろんほかの女性もそれに続きます。
…当然私もついて行きました。
ダイエーの横を通り、サンクスも越え、着いたのは発寒川。
彼女らは瓦に降りていきました。そして190cmの女性の笛のメロディーのまま、川へ次々と「ボチャン、ボチャン」。
…沈んでいきました。
最後の女性が沈んで、笛の女性は笛そのものを川に「エイ!」と投げ込み、
「おつかれさまでしたー」
自分自身にそう言って、帰っていきました。
…もちろん、次の日も琴似駅に来ていましたよ。集まる女性は昨日とはちがう人ばかりでしたが。