買い物カートの中身

地下鉄の人々第7弾。silent-storyの ‘a man scattering flowers’ のモデルになった人です。
最初に見かけたのは確か麻生駅でした。
買い物カートというんでしょうか、おばさんが近所にスーパーに行く時にもっていく、車輪付きのあれです。
このおじさんの場合、それに何を入れているかというと、花です。花がカートから溢れているんです。またその花の種類も、ダリアの時もあればユリの時もあります。もちろんキクの時もあります。
このおじさんはその後大通駅で何度かみかけました。しかも必ず8時すぎ。
一度あとをつけたことがあります。

東西線に乗りました。そしてしばらく乗って、降りたのは琴似。そのまま琴似のダイエーに行き、魚コーナーで鮮魚を手にとってはまた置いて…すいません、その後はわかりません。私も家に帰ったからです。
彼に関する疑問は尽きません。何のためにカートに花を入れているのか、一日中カートを引いているのか、生計は何で立てているのか。そして最大の疑問はカートの中の花はいつどこから仕入れているのか…。
ああ、すいません。昨日犯罪を犯しました。
後ろから、彼のカートをそっと開けてみたのです。
なんとその中には土。というか畑。畑から芽が出ていたり、その先に蕾が出ていたり、今まさにカートから顔を出そうとしている花もありました。
もし水と肥料と十分な光線を与えたら、カートから花がどんどん溢れていくのでしょうか。