ブックガイド「世界のワイルドフラワー」ーなぜ日本では球根を掘り上げるの?がわかる写真集

[stamp13084511]head2チューリップの球根はなぜ掘り上げるのか、宿根草はなぜ水はけのよいところに植えるものが多いのかー。園芸書には「そうするべき」とは書いてあっても、なぜそうなのかは書いていないものです。私も園芸誌の編集部にいながら、ただ漫然と「そういうものだから」としか考えていませんでした。

ところがある日、この本のページをめくって驚きました。ひび割れるほどカラカラに乾いた大地に咲く1輪のアイリス。「こんなひどい場所で、誰も手をかけないのに、どうしてこんなにきれいに咲くの!?」

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「世界のワイルドフラワー」。残念ながらすでに中古本しかないかも

本のタイトルは「世界のワイルドフラワー」(学研)。ワイルドな花の紹介ではなく、世界中の野草の紹介です。ヨーロッパ&アフリカ編と、アジア&オセアニア&南北アメリカ編の2巻構成。
内容は世界に自生している野草の写真とその説明でうめつくされています。野草といってもつまりは私たちが庭で見慣れているビオラやクロッカス、バラなどの原種なので、親近感がわきます。園芸種のように1株ずつは花いっぱい、色いっぱいではないですが、むしろその楚々とした雰囲気に好感を持つ人のほうが多いのではないでしょうか。

乾燥した大地に咲くアイリスが載っているページ

乾燥した大地に咲くアイリスが載っているページ

ページをめくると、それぞれの植物が実際にどのような環境にいるのか、よくわかります。例えばシクラメンは落葉樹林に、まるでカタクリのように群生しています。半日陰にいるから葉っぱが大きいんですね。
チューリップは小石だらけの乾燥した場所に生えています。だから葉っぱが雨どいのようにU字型になっているんですね。雨や朝露を根元に注ぎ込めるように。そして花後しばらくするといっそう暑い季節になるので、カラカラの土の中で球根が休眠します。日本(特に本州)ではしばらくすると梅雨になるので、乾燥させるべく掘りあげる。なるほど。そういう理由だったんですね。

ガーデンプランツとしてよく見かけるアンチューサやヘリクリサム、ポピー、ルピナスなどの植物も土を見ると小石だったり岩の付近だったりします。だから庭でも水はけのよい場所に植えるんですね。つまり1つ1つの花の栽培法を知りたいなら、園芸書の一言一句を忠実に守る前に、自生地の環境こそ知るべきかも。

歴地に生えるコマクサ

歴地に生えるコマクサ

襟裳岬近くのヒダカミセバヤ

襟裳岬近くのヒダカミセバヤ

これを北海道の野草でみてみると、例えばコマクサの難易度が高いのもわかります。高山にあるばかりでなく、ほとんど小石だけで水が全部抜けてしまうような場所に自生しているので、気温と水はけが大事だということがわかります。
ヒダカミセバヤは多肉植物なので「乾燥させればいい」と思いがちですが、実は海辺で水がしたたるような場所で株を見たことがあります。実は岩場で水が全くたまらないようなところだったのですが、それを見ると、水はやらないのではなく、水はけこそ大事だということがわかりました。

それにしてもこの本に掲載された植物の豊富なこと。またそれぞれの花の写真がとてもきれいですし、花と一緒に風景も写っているので、海外の自然の空気感まで感じられる気がします。植物が好きな人なら、いくらページをめくっても飽きないことでしょう。

そして先にも述べたように、こうして周囲の環境と植物を見ていると、それぞれの花がどれも環境に応じて、必要な葉の大きさや形になっていて、株の高さや花期もちゃんと理由があることがわかります。植物ってすごく合理的なものなのだな、ということが実感できる本です。

関連する本:
園芸ガイド「2013年夏号」巻末特集に、ポール・スミザー氏が北海道の大雪山に登って高山植物を観察する記事が7ページ載っています。私がテキストを書いたので、ここで宣伝してるみたいですが…。

風さむ!

天気はよくなった!
でも風が冷たい!

晴れたので野草を期待してあちらこちらに行きましたが、急に咲くわけないですね。
エゾエンゴサクもちょっとだけ咲きはじめた程度で、群落にはまだずいぶん早い感じです。北広島の横山造園の見本園「花さんぽ」 で、エゾヤマザクラの花芽を見せてもらいましたが、森さんがおっしゃるには開花まで10日くらいはかかるだろうとのことです。

どこに車を走らせてもたいして咲いていないので、あきらめて近所の図書館に行ったら、植え込みのエゾムラサキツツジが咲いていました。

風が強いので、多少絵が粗いいのはごかんべんを。

ゲンちゃん

おっとエンレイソウ

昨日、近所の野草はナニワズから進んでいないということを書きましたが、なんと。
その後歩いてみたら、1つだけ出ていました。エンレイソウ。
エゾエンゴサクもちょっとだけですが、咲き始めています。

昨日は有機野菜を作っている友人宅を訪ねました。
大学時代に一緒にウニをとったり山菜をとったりしたりしましたが、そういえばそろそろ行者にんにくの季節ですね。

明日は天気がよさそうです。久々のスケッチ日和になりそうな。
 

お店番

昨日は午後からコテージガーデンさんに行きました。
「藤川コーナー」をつくっていただいているので、グッズの販促の一環として、ときどきお店におじゃまさせていただいております。コーナーの店番ですね。

といってもまじめにコーナーの横にいるわけではなくて、これは無風で花を間近で見られるチャンスだとばかり、絵を描いています。

ミニバラ レンゲ

ラベンダー

でも本当は、お店の花よりもそろそろ野草を描きたいのですが、まだナニワズから進まないですね。
今日は古い友人をたずねて追分に行くので、お店には行けません。またそのうち。

私もバラ園で剪定に混ぜてもらいました

昨日の午前中から昼にかけて、岩見沢では日ざしが出ました。なんだか久しぶりのような気さえします。

いわみざわ公園のバラ園の作業に混ぜていただき、剪定をしました。
これだけ数があるとだんだん調子に乗ってきて、つい深めに切りたくなってきます。要注意ですね。
種類もたくさんあるので、枝がよく残る耐寒性の強いものと、そうではなくてほとんど残らないものの差が歴然とあることもよくわかりました。

宿根草コーナーでは、徐々に葉が展開しています。

セダム

プリムラ・ヤポニカ

うちの裏山ではエンレイソウが。つぼみをつけたものが1株。あとはまだ葉をクルクルと巻いた状態。咲くのは1週間くらい先かなあ。

去年はいっぱい咲いていたので、今年も楽しみ

春の花木さがしには美唄の林業試験場もおすすめ

クサギ

クサギ

園芸市などに行っても、どのお店でも同じ木しか見ないので、値段を見比べるだけになってしまいますね。お店としては売れないものはお店に置かないし、お店にないものはお客さんも買いようがないし、買われないからお店に置かない…と堂々巡りです。

そこで、今まで知らなかった花木に出会いたい人には美唄市にある林業試験場見本園をおすすめします。

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寒風の中のバラ剪定

今日もまた寒い一日でした。って冬みたいな書き出しですね。
取材の必要があって、いわみざわバラ園に行って、つるバラの剪定と誘引をしてもらいました。工藤さん、石渡さん、そしてバラ園で作業をしている皆さん、ありがとうございます。

5月3日から公園内で園芸店「ブッチパルケ」さんの営業が始まります。昨年までの本店での営業もまとめて公園店に集約するそうです。

家に戻って夕方から久しぶりに日差しが出ました。

家の前のナニワズ。寒くて花が進まないのがうれしいときもあります
山の会の報告が書き進まなくてうなる妻。パソコンの机は高村薫の本