貧困のない社会を創る

マイクロファイナンスのことについては、今までいろいろな本で紹介されている。その元祖がグラミン銀行だ。この本はその方法を活用して、利益の最大化を追求しない「ソーシャルビジネス」を紹介する内容。
個人が働くことがなぜ他人の所有する会社の利益に直結する必要があるのか、ずっと疑問だった。だから会社員以外には個人事業主かアルバイトしか、生活費を稼ぐ方法はないだろうと思っていた。でも社会のための企業活動なら、もう1つの選択しになる。そしておそらく、このように働く目標が「より理想に近い社会を創るため」という企業では、悪口や批判は起きにくいのではないだろうか。少なくとも「あいつは仕事ができないのに」とやっかみがおこったり、経営者の悪口はあまり聞かれない気がする。

ひょっとすると私自身が、このような事業を始めればよいのではないだろうか。
でも私にできることはなんだろうか。そもそも日本で必要とされるソーシャルビジネスはなんだろうか。メディアに関することだろうか、植物に関することだろうか、ストーリーに関することだろうか、あるいは動物園に関することだろうか。利益のためのメディアではなく、コミュニティの内部で、またはコミュニティどうしでより良い方法を無償あるいは超低価格で他の人に伝えるためのメディアこそ、今望まれているような気がする。

なんにせよ、著者であるムハンマド・ユヌスさんはこのところよく日本のメディアでも露出している。この本は札幌市の図書館で予約を待っている人が14人もいる。現状の方法ではだめかもしれないと思っている人がそれだけいるとわかっただけでも嬉しい。

Img424

妻に頭をなでられる猫。

ウィンザー&ニュートンはマンガとかアニメみたいな色になる。

昨日は妻と居酒屋に行って、酔っぱらった。ビールとウィスキーと焼酎2種類をチャンポンしたのがよくなかったらしい。悪酔いして妻に絡んで悪いことをした。反省。

ところで20日に就任するオバマ大統領には期待している。この人は意思の力とコミュニケーションの力を信じているように思う。だから言葉の力を信じているし、そこに込める思いも強く伝わる。そして当選のスピーチにもあるように、アメリカ国民だけを見ているのではない。きっと彼は、世界の人すべてと直接向き合って真摯に話せば理解し合えるし、それこそが世界を変える唯一の方法だと信じているように思う。信じる、という言い方は陳腐だが、昔楽評論家の渋谷陽一がプリンスの評価として「彼をはじめ黒人のミュージシャンは音楽を信じている」と言ったのをラジオで聞いたことがある。それと同じ意味で、オバマはコミュニケーションを信じていると思う。おそらくそれは、シカゴで弁護士をしながら極貧層の社会を変えようとした頃から変わっていないのではないだろうか。

それに引き換え、日本の政治家には「世界」はみえておらず国会周辺と選挙区しかみえていないのではないだろうか。政治はなくて政局しかない。信念さえ持ってない。だから「首相にはなりたいけど、なったときにやりたいことは具体的に持っていない」人が3人も続けて首相になったりする。

オバマをロールモデルとして、きちんとビジョンを持ち、それを他人に理解してもらおうとコミュニケーションする、つまり自分の言葉で語る政治家が出てくることを本当に望む。