アリの巣は植物か

うちの家では初夏〜夏にかけて一週間ごとにアリがたくさん発生する。羽を持っているので巣別れなのだろう。真夏になって出現しなくなったが、ともかくアリはそうやって新しい土地に出発して、それぞれ新しい巣を作るのだろう。

さて、これをアリ目線ではなく、アリの巣目線で考えたらどうだろうか。

つまり彼(アリの巣)はアリという媒介を通して、増殖を謀っているのである。

これって、花とおんなじだ。

昆虫を媒介にして増殖を謀る、という意味で。

これをもって「アリの巣」に生命とか知能があるとは言えない。しかも実体はなくありの巣は空洞なので、そこにあるのは空虚のみである。

なんとかこじつけたいが、アリの巣は生命であるとは言えないにしても、タネから育って花が咲いて、そしてタネをばらまいて(=巣別れ)、またそのタネ(=アリ)が広がっていくことと考えれば、比喩的にアリの巣も「生命」といえなくはないかな。有機質(=炭素を持つ化合物)が自己複製を行うことで生命と呼ばれるのであれば、こんな空虚も生命だとこじつけられないだろうか。

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