書くべきか書かぬべきか、書くことになりました

依頼されていた脚本ですが、条件を全てクリアして頂き、書かせてもらうことにしました。

こんなことを脚本書く人間が言うのも何ですが、私は演劇に新たな脚本は必要ないと考えています。と言うのも、これまでの古今東西新旧のテキストが大量にあるので、あとは解釈の仕方(演劇用語で言うところの「読み」)、演出の仕方で、やりたい芝居は何でも実現可能だと思っています。

その中で新たなテキストをつくることは果たして、既存テキストの「読み」を省力化する以上の意味はあるのだろうか、ギモンはあります。
とはいえ私は新たなテキストをつくることを求められて、それを受けたわけで、ならば新たなテキストをつくる意義を盛り込まないといけないのかもしれません。またおそらくこれから書くテキストは、既存テキストを縦横に編集させてもらいながらつくるものになるでしょう。

思い出します。
井上ひさしの「ブンとフン」という小説がありました。うすくて文体も軽く、ストーリーもなんてことはないのですが、その中で売れっ子作家のブン先生について、売れないフン先生が新聞に投書をします。確か「ブン氏の文章は古今東西のテキストから単語1つ、文字1つを拝借したものでつくられている」みたいな指摘がありました。
そりゃもっともです。現代のテキストはすでにそのように「構成」されたものばかりと言ってよいでしょう。
あ、えらそうになりました。

とにかく書いていく状況を報告し続けます。

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