園芸市などに行っても、どのお店でも同じ木しか見ないので、値段を見比べるだけになってしまいますね。お店としては売れないものはお店に置かないし、お店にないものはお客さんも買いようがないし、買われないからお店に置かない…と堂々巡りです。
そこで、今まで知らなかった花木に出会いたい人には美唄市にある林業試験場見本園をおすすめします。
もちろん札幌の滝野すずらん丘陵公園や百合が原公園、豊平公園などでもよいのですが、林業試験場では花名を書いたプレートがとても大きく、札落ちがありません。公園だと美観上の問題もあるので小さくて、知りたいものに限ってプレートがなかったりします。
では林業試験場ではにどんな花があるかご紹介しましょう。
カスミザクラはエゾヤマザクラに1週間ほど遅れて咲くと言われています。実際はその年の気候などによって花期が重なることもあるようです。清楚な雰囲気の花が魅力的です。
シウリザクラは穂状に花がつくので、言われなければ桜の1種には見えません。面白い花だと思います。
イッサイヤブデマリはカンボクの仲間で花期は6月上旬。これもユニークな花の形をしています。
エゾスグリはフサスグリなどカーランツの仲間です。園内にはほかにコマガダケスグリ、トカチスグリなど、珍しいものもあります。小果樹エリアにはコクワやアケビなどもあります。
ワタゲカマツカはバラ科で、花はコトネアスターに似ています。でも地面ははわない小高木です。
ベニバナヒョウタンボクはハニーサックルと同じくロニセラです。花は比べ物にならないくらい小さいですが、こうしたクリムゾンレーキな色はほかにあまりないかも。
チシマザクラはおなじみだと思います。サクラの中では唯一花に香りがある種類です。背丈もあまり高くならないので庭にはよさそうです。
ところでハスカップと呼ばれる植物には、高山性のケヨノミと湿地性のクロミノウグイスカグラとがあります。いずれも花はうす黄色ですが、「クロミノ」ではないウグイスカグラは赤い花です。低木でこれも使いやすそうです。
ハクウンボクは花自体はエゴノキとほぼ同じです。ただし密にたくさん咲きます。ちょっと品がないといえなくもないですが、大きなまるい葉っぱがおもしろいです。また枝っぷりもくねくねとこれもユニークな感じがします。
ここで紹介したものにかぎらず、木を庭に入れたいと思ったときには、まずは高さや広がりを知らないといけないので、そうした意味でも見本園に出かけて成木を見ることをおすすめします。
林業試験場では苗木の販売などはしていないので、入手したい場合は近所の園芸店に相談するとよいでしょう。おそらく生産者か代理店に在庫がないか聞いてくれると思います。
ちなみに、樹木を見るなら真鍋庭園さん、横山造園「花さんぽ」さんもおすすめです。大きな見本園があり、知らない樹木探しにはこちらもぜひおすすめです。
美唄市光珠内町東山 入園無料 駐車場あり 入園時間・定休日などは特になし
関連する本:「北海道樹木図鑑」
林や公園などで「この木なに?」と思った時、いちばん調べやすい本だと思います。冬芽や葉だけでも調べることができるので、私はいつもこれを使っています。