キクザキイチゲ
マダニをつけて一人前のネコ…っておいおい人間やで
まあ、うちの猫なら毎年初夏にはよく付けてくるのですが、自称ネコの一員である(実際睡眠時間は猫に近い)だけあって、ようやくダニに関しても妻はネコと同等になったわけです。
…あかんやろ。
「アルコールをつければ取りやすい」という迷信まがいのチャレンジをウォッカで試した(やっぱり迷信やん)あと、諦めて夜間の救急外来に行きました。うちの奥さんは方向音痴で道路地図は読めない(でも山の地図は読める)ので、運転は私ですよ。
「首筋なので私にはでけへん。皮膚科の先生が出てくる週明けにまた来て」(関西弁訳)と先生に言われて、とりあえず薬だけもらってまた来週とあいなりました。
岩見沢市立病院救急外来受付。「たいしたことない病気や怪我で救急外来に来ないように」というポスターがいっぱい。そうそう、擦り傷くらいはみんなつばで治そうな |
百合が原公園キッチンガーデン展
ミズバショウ
カタクリ
ブックガイド「世界のワイルドフラワー」ーなぜ日本では球根を掘り上げるの?がわかる写真集
チューリップの球根はなぜ掘り上げるのか、宿根草はなぜ水はけのよいところに植えるものが多いのかー。園芸書には「そうするべき」とは書いてあっても、なぜそうなのかは書いていないものです。私も園芸誌の編集部にいながら、ただ漫然と「そういうものだから」としか考えていませんでした。
ところがある日、この本のページをめくって驚きました。ひび割れるほどカラカラに乾いた大地に咲く1輪のアイリス。「こんなひどい場所で、誰も手をかけないのに、どうしてこんなにきれいに咲くの!?」
本のタイトルは「世界のワイルドフラワー」(学研)。ワイルドな花の紹介ではなく、世界中の野草の紹介です。ヨーロッパ&アフリカ編と、アジア&オセアニア&南北アメリカ編の2巻構成。
内容は世界に自生している野草の写真とその説明でうめつくされています。野草といってもつまりは私たちが庭で見慣れているビオラやクロッカス、バラなどの原種なので、親近感がわきます。園芸種のように1株ずつは花いっぱい、色いっぱいではないですが、むしろその楚々とした雰囲気に好感を持つ人のほうが多いのではないでしょうか。
ページをめくると、それぞれの植物が実際にどのような環境にいるのか、よくわかります。例えばシクラメンは落葉樹林に、まるでカタクリのように群生しています。半日陰にいるから葉っぱが大きいんですね。
チューリップは小石だらけの乾燥した場所に生えています。だから葉っぱが雨どいのようにU字型になっているんですね。雨や朝露を根元に注ぎ込めるように。そして花後しばらくするといっそう暑い季節になるので、カラカラの土の中で球根が休眠します。日本(特に本州)ではしばらくすると梅雨になるので、乾燥させるべく掘りあげる。なるほど。そういう理由だったんですね。
ガーデンプランツとしてよく見かけるアンチューサやヘリクリサム、ポピー、ルピナスなどの植物も土を見ると小石だったり岩の付近だったりします。だから庭でも水はけのよい場所に植えるんですね。つまり1つ1つの花の栽培法を知りたいなら、園芸書の一言一句を忠実に守る前に、自生地の環境こそ知るべきかも。
これを北海道の野草でみてみると、例えばコマクサの難易度が高いのもわかります。高山にあるばかりでなく、ほとんど小石だけで水が全部抜けてしまうような場所に自生しているので、気温と水はけが大事だということがわかります。
ヒダカミセバヤは多肉植物なので「乾燥させればいい」と思いがちですが、実は海辺で水がしたたるような場所で株を見たことがあります。実は岩場で水が全くたまらないようなところだったのですが、それを見ると、水はやらないのではなく、水はけこそ大事だということがわかりました。
それにしてもこの本に掲載された植物の豊富なこと。またそれぞれの花の写真がとてもきれいですし、花と一緒に風景も写っているので、海外の自然の空気感まで感じられる気がします。植物が好きな人なら、いくらページをめくっても飽きないことでしょう。
そして先にも述べたように、こうして周囲の環境と植物を見ていると、それぞれの花がどれも環境に応じて、必要な葉の大きさや形になっていて、株の高さや花期もちゃんと理由があることがわかります。植物ってすごく合理的なものなのだな、ということが実感できる本です。
関連する本:
園芸ガイド「2013年夏号」巻末特集に、ポール・スミザー氏が北海道の大雪山に登って高山植物を観察する記事が7ページ載っています。私がテキストを書いたので、ここで宣伝してるみたいですが…。