高校生の頃はかなり小説を読んだほうだとは思います。でも最近あまり読めなくなりました。というのも、たいてい主人公が困った目に遭うからです。そういうのってドキドキして「なんとかしてあげたほうがいいんだろうか」という気持ちになります。その後当然「どうしてフィクションで俺が気をもまなければいけないんだろう」と気づき、本を置いてしまいます。先日はカズオ・イシグロの「遠い山なみの光」を断念しました。その前に読んだ「浮世の画家」と「夜想曲集」は最後まで読めたんですが。
日本の小説もほとんど読めません。当たり前ですが、物語というのは主人公が困った目に遭うから結末がハッピーエンドになるのであって、最初からハッピーだったら物語になりません(笑)。だからドラマも全然見られません。
前からそういう他人の困りごとの物語は苦手だったのですが、この頃はそれがいっそうセンシティブになっているような気がします。コロナで世界中でアンハッピーなニュースが多いからかもしれません。遠い国のことでも誰かが困っていると気になります。現実でこんなに困っていることがあるのに、さらにフィクションで困りごとを背負うのはできれば避けたい。
でも村上春樹さんの小説は読めます。どうしてだろう。生活感が僕からかなり遠いキャラクターが多いからでしょうか。

希望する人がみな、早くワクチンを打てるといいなあと思います。
ではまた明日(たぶん)