日曜日午後の三角山

日曜の午後。

文章で物語を作り、これは違うなと思い、チューハイを飲みながら絵を描いて物語を作る。しかし納得いかず、昼ご飯に鮭の炊き込みごはんを食べ、掃除機を掛け、イヤホンで音楽を聴きながら山の手図書館に行く。

図書館で星野道夫のエッセイを借り、山本容子の自伝を立ち読みする。図書館を出てイヤホンをつけたらピアソラが鳴っていて、眼前の三角山に5分ほど見とれる。ああ、スケッチブック持ってくればよかったと思ったが、そういえば持ってきていたとスケッチ。

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マックスバリュに買い物に行き、そのまま帰るのも惜しく、道の景色でも見ようと歩道橋に登る。宮の沢方面を見ると遙かに続く道の信号すべてが青色で、反対の円山側を振り返るとすべてが赤色であることになぜかしら感動。そのまま走り去る車、やってくる車、遠くに建つビルなどを眺める。思えば子供の頃からこんなふうに景色を見るためだけに遠出したり時間を使ったりしていたが、すでに40を過ぎ、これもまたよしなのか、それともいまだ人生が始まっていないのか。先ほどの山本容子の自伝などを振り返りつつ、自分の軸が定まっていないことにうろたえ、では今ここで決めようにもあれこれ自分のやっていることそれぞれに期待するところあり、かといってどれも満足に仕事として至っていないことに恥じ、とはいえこんなふうに気合いを入れない人生もまたありか、と思い直してやっと歩道橋をおりるに至る。

その後も少し遠回りして家に帰り、風呂にはいる。あがるとネコが寝言を言っていた。

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その気になれば、アラスカだって京都だって、アイスランドだって、どこに行ってもいいんだし。誰に禁じられているわけでもない。願わくばずっと、どこででもスケッチしたい。