子どもたち向けのスケッチ教室を振り返って

昨日も書きましたが、宝塚市立文化芸術センターさんで子ども向けのスケッチ教室を行いました。子ども向けと言ったって、中身は大人向けと同じです。単に僕の話す単語をできるだけ熟語を避けるようにしただけです。

昨日のその時間を振り返り、本当に貴重な体験だったなあと思いっています。まず子どもたちの対象との向き合い方。とても真摯です。千日紅の花びら一枚一枚丁寧に描いている人がいるかと思えば、トラディスカンシアの葉の模様を丁寧に描いている人がいたり、あるいはエリゲロンの細い花びらを1つずつ描いている人がいたり。

スケッチの最大の魅力は、見るだけでは気づけない、意外な発見がたくさんあることです。おそらく言語化する能力はまだなくても、彼女・彼らは描く中で必ずたくさんの気づきや驚きを味わっていると思います。きっと僕よりも何倍も。それはかなり豊かな体験なんだろうなあと思います。

僕がデモンストレーション的にスケッチをすると、後ろや横からすごく近くまで間合いを詰めて、熱心に覗き込んでいました。

教室に戻って色を乗せる段になっても、すごく大事に塗っていたなあ。

我が身を振り返ると、そんなにひたむきに描いているかしら?という疑問が浮かびます。反省するとともに、僕も彼女・彼らくらいひたむきに描ける可能性もあるから頑張ろう、という気持ちにもなります。

いい時間だったなあ。あの姿を見るために、また子ども向けのセミナーをやりたいと思いました。

あ、それと、昨日は同伴している保護者の方々に「アドバイスしちゃいけませんよ。黙ってみていてください」とお願いしました。というのも、絵は自分ひとりで迷ったり決断したりして進めていくのが楽しいんです。小さい絵でも途中で必ず不安になったり、やめたい気持ちになったりもします。でもそれで次第に完成に近づいていくのは大きな喜びです。仮に自分の決断で失敗しても、それは学びの1つになって、必ず次に生かされます。

そこで大人が「もっとこっちを長くしたほうがいいんじゃない?」とか「ここは描かないの?」とか言ったら台無しです。大切なのは上手に完成させることではなく、自分で進めていくことだと思います。

参加してくれた皆さんが、絵を描くのを楽しいってずっと思ってくれますように。

ではまた明日(たぶん)