今朝は会社の鍵を部下に渡しっぱなしにしていたのを忘れていたので、誰かが来るまでの間、大通公園で時間をつぶした。こうしてみると、いそがしく会社に向かう人たちの中で自分だけが流れに取り残されて、外国にでも来たみたいだった。折しも朝から気温が高く、なんだか東南アジアの経済発展まっただ中な都会にいる気分。このところ、仕事から自分の来し方行く末などを考えたりしているせいか、「世界一やさしい問題解決の授業」などを読んでいる。やりたいことをツリー構造で実現の方法を考える。何か具体的にするべきアクションは見えてくるが、40にもなって何をやっているのかと少し笑える。
昼休みも大通公園。
仕事ってどういう風にやれるのかやりたいのかをまた考える。
しかしよく考えたら、北海道の花のことと花の人脈に詳しい編集者で営業的にも少し顔が利くという人材は、あまりに貴重であまりにニッチ。ニッチすぎて価値があるなしの境目くらいにいる感じ。自信を持つと同時にこれまた笑える。
で、会社に戻っているときだった。
大通公園の路上で何か売っていた。
猫のクラフト。商品を並べて、横でお兄さんがつくっている。
来し方行く末を考えていたところだけに、この商品をながめながらお兄さんが気になる。話しかけた。
「ねこ、すきなんですか?」
「すきなんです」
「飼ってるの?」
「アパート住まい何で変えないんですけど、実家でずっと飼ってました」
「どういうきっかけでこういうの、つくりはじめたの?」
(天を仰いでしばらく無言)「…つくってみたら、いいかもって」
「失礼だけど、お仕事は?」
「前はデザイン会社にいたんですけど失業して」
「これ、1ついくら?」
「小さいので1000円です。いや、でも手にとってもらうだけでじぶんはうれしいんで…」
正直、さっきまで自分の来し方行く末を考えるに当たって、作品を広める方法としてあらゆる選択肢を洗い出した。そしてその中に「路上販売」はあったのだ。そしてこのお兄さんはそれを実践している。すごい。
作品もよいが、応援したいぞ。
「じゃあ、これちょうだい」
「いや、手にとってもらえれば…」
商売っけがないというか、押しが全く弱すぎるところもシンパシーを感じる。営業に全く向かない。
1000円出した。給料日は遙かに遠いが、財布はかなり軽い。でも出してしまった。同類相哀れむというか…。
兄さん、あんたもたいがいニッチやな。
家に帰って飾る。妻にどう説明しよう。
