「死ぬ前に何でもいいから望みを叶えてやる」と言われたら、まず最初にお願いしたいのは、「寿命を延ばしてほしい」だが、それはだめと言われたら、「宇宙の果ての向こうを見たい」である。
だいたい、宇宙は謎が多すぎる。そしてでかすぎる。そもそも地球それ自体も、我々の身体感覚からすればかなりでかい。不景気だ、雇用格差だ、アメリカ大統領選挙だ、グルジアで戦争だ、北京オリンピックだとか言っても、所詮地球の面積の3割しかない陸の上のことなのである。で、地球から月までの距離は地球の直径の30個分あって(地球儀を30個分並べてことがありますか?やったら驚きますよ。月ってなんでこんなに遠いのに地球の周りを回ってんの?って。)、だいたい光が太陽から地球に届くのに8分19秒かかって、とかなんとかいっても、冥王星までは何時間もかかって、一番近い恒星までは3年ちょいかかるのです。
すげー。でもって(中略)銀河系はありふれた銀河の1つで、アンドロメダ大星雲とかと30個くらいの銀河でグループを作って「局部銀河群」と呼ばれてい
て、こんな銀河群が集まって銀河集団をつくっていて、またそれが集まって超銀河集団をつくっていて、これらはどうやら泡の膜みたいなところに張り付くよう
に散在していて、そいでもって全部の半径だったか直径が180億光年あるらしい。そんなことが子供向けにこの加古里子さんが描いた本には書かれてあって、
これを今は神父をやっているおじさんが買ってくれたのはすでに私が宇宙にかなり興味を持っていた頃だが、それにしてもこの本は宇宙の大きさを絵で子供にも
リアルにわからせてくれる素晴らしい本だった。おかげで自分の意思を決定する時や、自分の人生を柄にもなく考えるとき、あるいは他の人の人生を考える時に
も必ず宇宙のことが頭に思い浮かぶ。だから狭い範囲での「社会のために」とか「仕事に生きる」という人は真っ先に鼻で笑ってしまう。自分で目に見える範囲
のことを人は「社会」と言いたくなってしまうが、実際にはその社会はかなり狭い範囲で、またどんなに広い社会も宇宙的には狭すぎるのである。
かといって虚無的になっては意味がないのだが、私はこのごろ、この広すぎる宇宙になんだか偶然に生まれた自分と、これまた偶然に生まれたほかの人々の人
生、そしてこれまた偶然にここにある社会と地球について考えることが多い。そういった意味で、今の仕事は偶然にもありがたい役割を担っている。会社のため
でなく、社会に向けて、これは意味のあることかな、と思えるようになってきた。そういう意味で、会社に向かってではなく、社会に向けてやれることがあるの
ならやってみたいと思って、そのことと自分のために今の仕事をしようかと思い始めている。なんちて。そりは宇宙だからね。