仕事の方が一段落ついたと思ったら、また問題発生である。どうやら問題というものはお金よりたちが悪い。お金は寂しがりやなのでお金のあるところに集まるが、問題というものは問題があるとどんどんそこに集まってくるものでもあるが、問題がなくても発生するからだ。幼少を海沿いの小さな街で過ごしたカメラマンに聞くと、カモメというものはカラスよりたちが悪いらしい。カラスはゴミをあさるが全部自力で、カモメは人が魚を水揚げするところを狙って卑しく集まってくるからである。そういった意味では問題とカモメは似ている。
何しろ問題が発生してすぐにてのうちようもないときには、ちょっと「うふふ」と言える本を読むのがいい。でも決して「うふふ」のあとに「自分もこうならなければ」とか「もっとこうだったらいいのに」とか思ってしまうような高尚な人が出てくるのはだめである。そういった意味で「ku:nel」とか「リンカラン」とか「天然生活」は危険である。「こんな日差しの中で仲良くのんびり暮らせたらいいのに」ばっかりだからである。だからこういう時は「なんじゃもんじゃ博士」(長新太)がよいと思う。オリンピックで「日の丸が背中に張り付いて」困っている選手にもお勧めしたい。
期待して買ってもいけない。ヒーリングミュージックではないのである。ほったらかしながら読むのがよい。しかしオリンピックの期待されている選手は大変だ。だいたいオリンピックの時だけ選手のことを思い出す人たちが相手だ。しかも呼び捨てで名前を呼ばれる。いつからあんたらはオレの同級生になったんや。と言いたいことだろうと思う。感動をオレに求めるな、感動はあんたの足下にある。といいたいことだろう。きっとカラスもカモメに言っている。えさはあんたの足下にある、それをとって食えと。