いつの間にか編集長が替わったんでしょうか、芸術慎重が再び面白くなりました。(リンク: 芸術新潮)
かつて「ロシア絵本」や「ディックブルーナ」、「日本のバロック」など、面白い企画を連発してくれていたのが、いつの間にか特集タイトルに惹かれて購入しても一日で古本に出してしまうような寂しい号が続いていました。一言で言えば、当時は特集テーマに対して正面に向かわず、逃げ腰な印象。たぶん編集長を始めスタッフが、芸術に関して「俺不得意だから」というスタンスだったのでしょう。私も趣味の雑誌の編集をやらせてもらっているので何となく想像できるのですが、その趣味に対して自分が興味を持てないと、いつのまにかその周辺の人を読者対象に仕立てたくなります。要するに、自分の相対するべき読者対象に自信が持てないんですね。だからちょっと前の芸術新潮は芸術関係の雑誌なのに、特集でもその辺はお茶を濁す程度ですぐに旅行や料理に逃げていました。「飛鳥」などひどいもんでした。また「イギリス古寺巡礼」とか、それ芸術じゃないじゃん、というもんで、買って損をした、という気持ちがいっぱいでした。何しろ1400円ですから。
でも、最新号の「ブルーノ・ムナーリ」は、久々に正面から「さあ、来い!」という感じで、しかも展覧会の案内(あるいは広告がらみかもしれませんが)や、「さらにムナーリを知るための書籍」があるなど親切な構成で、よく見ると連載関係も変わっているところがいくつかあり、いつのまにかリニューアルが大幅にはかられたようです。
ネットだブログだとはいっても、これだけ写真や図版を大きく見せてくれるとか、フォントや文言で演出してくれるというのはまだデジタルには不可能なので、というか紙だからこそできるんであって、ぜひ次号も芸術新潮には期待したいところです。