偶然は何をもたらすかわからない

サスペンスものとかで、主人公が事件とは関係のない趣味や人間関係から、解決の糸口を得ることがあります。脚本づくりにもそういうことがあります。
脚本づくりの手始めは、なんと言ってもアイデア集めです。頭の中で全部構築できれば言うことはないのですが、なかなかそうも行きません。で、行き詰まったらいろんな文献を眺めてみたり、テレビを観たりして何とか別の発想を得ようとします。
私の場合、昨日髪を切りに行ったのが正解でした。

  • この美容師さんは月に一度、ボランティアで病院の患者さんの髪を切っている
  • 高校生の頃、一人暮らしを始めたお姉さんに毎日手紙を書いてた

この2点でずいぶんアイデアが広がりました。
たぶん、この線で今回の脚本は進んでいくことでしょう。おもしろくなりそうです。
しかし実際、もしこの日に髪を切りに行かなかったら、あるいはもし別の人に切ってもらっていたら、あるいはもしこんな会話をしなかったら…。
脚本はどこへ向かっていたでしょうか。これまで書いたものもそうでしたが、脚本は偶然からどのようなヒントを得るかで善し悪しが変わってきます。特に何気ない会話から得るものは大きいものです。結局のところ、脚本は偶然が書くものなのかもしれません。とはいえ、偶然を求めてやたらがっついてもだめなんですが。
もしよいアイデアが貯まらない時は、「運が悪かっただけ」と思うことも必要かもしれません。