月探査から始まる善意の経済循環

以前も書いたことですが、戦争の要因の1つとして、憎しみなどの悪感情が経済循環に則りやすいことがあります。憎しみは暴力を呼び、暴力は武器を呼びます。武器は高価なため、また憎しみは執念を纏うだけに大きく長い経済的な利益を生みやすいものです。そこで私は「慈しむ心」「人への思いやり」とかの教育に頼るよりも、善意や愛に経済的合理性を生む仕組みを作ることの方が、戦争を避けられるのではないかと思っています。実際、イラク戦争は石油という経済合理性を1つの理由として始まったと思ってますが、当事者のブッシュ大統領にだって愛犬がいます。人や動物を慈しむことを知っているわけです。また人が一番憎しみを覚えるのは、自分の愛するものを傷つけられたときですから、ある意味、戦争の原因は愛が作っているといってもよいかもしれません。テロに走る人たちはただの狂信的な人ではなく、自分の肉親をコロされたことが理由であることも多いはずです。

ではどうやって善意に経済合理性をもたらすか。今朝の新聞に、月に関する2つの記事を見て少し考えました。

1つは日本の月探査衛星「かぐや」打ち上げ成功のニュースです。このところ各国で月探査衛星の打ち上げが多く予定されています。理由は1960〜70年代のアメリカとソ連の国威発揚や国際社会での存在感の誇示ではなく、エネルギー問題が絡んでいます。純粋に月の成り立ちを調査するなどの科学的な目的だけでなく、朝日新聞が

月は「未来の資源庫」として期待される。

と書くように、ヨーロッパ、中国、インド、ロシアも衛星の打ち上げを予定しています。自国に資源のない国はもちろん、多く持つロシアも現在の国際的な地位と経済的な潤いはエネルギー政策で作っているのですから、他国が月から供給されるとなると死活問題なので、先に権益を確保しようと必死でしょう。
で、このような死活の利害関係が絡むと当然ストレスと憎しみが発生します。イラク戦争のようにならないという保証はありません。

で、もう1つのニュース。
グーグルが民間で月面探査ロボットを最初に月で活動させたところに賞金を出すらしいです。これなら、月へ行く理由が悪意だろうが善意だろうが、関係なく経済合理性を生みます。すばらしい、グーグル。もちろんそのロボットが悪意のある形に転用されないとは限りませんが、善意による冒険が経済的な評価を生む仕組みがあるのは大きいと思います。
できればこれを、月探査だけに限らず、ほかの経済合理性を持たない善意的事業にも広げていってほしいものです。
そして善意が経済合理性を生むシステムまで作ってくれたらいいのですが。グーグルにはそこまでやってほしいなあ。無理か。