花は形から入る

植物の魅力は人によっていろいろですが、私の場合、一番大きいのはその恐ろしく厳密な合理性です。芽を出すタイミング、つぼみの中での花弁の収納方法、花の期間、葉の大きさと形、落葉か常緑かなど、知るほどにそれら全てが目的に対して一寸の隙もないほど合理的にできていることに、日々驚き、目から鱗を落とします。もう毎度カタルシスです。

そういった意味で、私が植物を描くときは色よりも形に目を奪われることが多い気がします。だいたい植物の色はすばらしく繊細で、色鉛筆はおろか水彩でも私の技術では再現できないですし。

で、この時期に一番面白いのがポピー。花びらの、まるで薄紙のようなテクスチャもすばらしいですが、茎のクネクネした感じや花後の子房なども面白いです。
そういった意味では色はぬらなくてもいいのですが、まあ、ぬるのも楽しいし。