平屋の羊羹

たいていは表面がつるっとしていて、食感はクニュッとしている。そして味はただ砂糖の甘さ。僕にとってのようかんのイメージはそんな感じでしたが、これを食べて初めて「うまいようかんがある」ことを知りました。

まず外側がややかための殻のようで、少し粉をふいています。それを割った中はしっとりとして、食べてみると少し甘いけど、物足りなさは感じない。何かいいものを食べているという気持ちがじんわり心に広がります。

平屋のようかん

平屋のようかん

平屋さんのようかんです。有名な菓子メーカーではありません。実は先日泊まらせて頂いた福島県の田舎のお宅のすぐ近くです。番地でいえば、となり。ようかんとまんじゅうを自分の所でつくって店先に並べています。

戸数30軒ほどのちいさな集落のお菓子屋さんでこのように美味しいものが作られているなんて、とても驚きました。おそらく店先で販売しているのは一部で、ほとんどは街の大きなお店に卸しているのでしょう。きっと静かな人気があって、とても根づよいファンがいると思います。

どこに住んでいるかなんて関係ない。どんな田舎にいても届く人にきちんと届けられ、喜ばれる、誠実な商品、もしくは作品。

こんな仕事をしたい、こんな風に喜ばれる絵を描きたい、と思いました。

平屋の羊羹」への2件のフィードバック

  1. お久しぶりです。
    絵が、どんどん 温度を高めてらっしゃるな、と静かに感動しています。
    わたしも、平屋さんのような 占いをしたいです。
    素敵ですね。

    • たかこさん、おひさしぶりです。絵の方、ほめて頂いてうれしいです。デパートや空港に置かれる「銘菓」も十分尊敬に値しますが、個人で仕事をするなら、こつこつ誠実な仕事に憧れますね。

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