「フジカワさんがこないだブログに載せていた、元旅館の建物あったでしょ。ぼく、子ども時代に、あのななめ向かいに住んでたの」。
「日々のおはなし」カテゴリーアーカイブ
別荘、買わないか?
ここは元は旅館の別館。建物は昭和33年築で、役所の結婚式とかそういうことに使われてたんだけど、おれが34の時に買い取ったんだ。昔は美流渡も炭坑があった頃は1万2千人くらいいて、ここで旅館やら宴会をやっていたんだ。
それまでは、17の時に馬を飼って畑を借りて耕したり、釣り堀と食堂つくったりしてた。中も見てくれ。廊下は9尺幅、階段は6尺幅。使ってたふとんがそのまんまにおいてある。奥のホールは今ママの舞踊の稽古場になってるけどよ。かあちゃんは名取りだ。生徒もとってるんだ。
まあ、このソファに座りなよ。テレビ見るか? この建物に9台あるんだ。
内装のかべの色もいいだろ? 当時いた使用人にぬらせたんだ。真っ白じゃなくて、アイボリーとピンク。
買わねえか? 安くするよ。壊すには思い入れがあってもったいないんだ。○百万でどうだ? 何なら買いやすいように、分割にしてもいいぞ。ここでなんか商売でも始めればいいだろ。
なんなら畑も貸すよ。こっから見えるだろ。今もママと植えてたんだ。
パークゴルフ場もあったんだ。18ホールあって、芝刈り機でいっしょうけんめい刈ったよ。
17の時に畑を借りて馬で耕してマメを作ったんだけど、不作でな。地代を払えなくて、その代わりに地主さんが、植えてあるオンコを持って行って処分してくれ、といったんで、そのまま植えたのが60年前。それが今ではこんなに大きな木になってる。灯籠はあれが120万、こっちのが60万。いい庭? そうか、うれしいな。あの踏切信号機? ああ、スキなんだ。もらってきた。
どうだ、買わねえか? 商売とか、そうじゃなかったら、あんたらが2階に住んで、1階を友だち呼んで、かしてやればいい。友だち呼ぶときにはな、「小さい別荘買ったから見に来てくれ」って言うんだぞ。小さい小さいっていってな、そしたら、実際見たらびっくりするから。
そうか。連絡先を教えてくれ。ぜひ考えてくれ。
マムシについて
昨日から引っ越しを始めています。引っ越し先は郊外で、ほとんど山の中といってもいいくらいの場所。大家さんの土地が広いので、草刈りやそのほかメンテナンス作業をしているおじさんがいます。
さて、引っ越した家の風呂場を見ると、なんと長さ1mほどの蛇。蛇が出ること自体は縁起が良さそうですが、毒蛇だと心配です。そこで先ほどのおじさんに聞いてみました。
「おじさん、蛇が出たよ」
「ああ、このへんはいっぱいいるんだ。どんな蛇だった?」
「緑色で、銀色に光っていたな」
「アオダイショウかな。アオダイショウってヤツは茶色から銀色から、いろいろいるんだ」
「マムシはこの辺にはいないの?」
「何年もここの手入れやってるけど、俺はみたことないな」
「マムシって、どんな色?」
「見たことねえから、わかんね」。
…安心していいのだろうか。
ものしり
今日は運転免許試験場に行きました。午前の筆記試験が終わり、施設内の食堂で昼食。
横に座っていたどこかの会社の同僚らしき、30才前の男女の会話。
男「イカスミとタコスミのちがいって知ってる?」
女「しらなーい」
男「イカスミにはグルタミン酸があるけど、タコスミにはないんだって。グルタミン酸って知ってる?」
女「しらなーい」
男「うまみの元でさあ、おれもはじめて知ったんだけど、味の素ってそれでできてんだよ」
女「だからかあ」
男「グーグルで味の素って検索したら出てきて…」
その年になって味の素がグルタミン酸だということも知らないのか、頭の悪いヤツめ、と横でカレーを食べながら私は思った。今時の若いヤツは、とも思った。ついでにうまみはグルタミン酸だけじゃなくてイノシン酸もそうだ、と教えてやろうかと思ったが、やめた。
その10分後。食後の私はロビーで文庫本を読んでいた。近くで20代前半らしき若い女性が携帯電話で誰かと話していた。
女「4月8日よ、知ってる? お釈迦様の生まれた日。知らないの?」
正直、私は全然知らなかった。
女「でね、ドラえもんも同じ4月8日が誕生日なの」。
全く知らなかった。面白いことを教えてもらった。
女「どう? もう忘れないでしょ」。
たしかに、絶対忘れないと思う。完敗だ。
グループディスカッションにて
自動車教習所の授業の中には、数人でグループになってディスカッションをするものがある。昨日はそれで40才くらいの主婦らしき女性と、大学生の若い女性と、同じグループになった。おおむね授業としてのディスカッションは終わり、話はやがて雑談的に「どうして免許を取ることになったのか」という話題になっていった。主婦の女性の動機は、子どもの習い事の送り迎え。
「子どもが冬は歩いて帰るのはイヤだと言い出したものですから」
ということだった。
そして話題はまたいくつか変わり、大学生の女性の運転について。ディスカッションの前にあった路上運転では、見かけによらずスピードをしっかり出していた。私も、主婦の人も、彼女が出すスピードは免許取得中の女性にしてはちょっと思い切った速さのように感じた。
「スピードに慣れているんですよ」
「どうして?」
「3才からずっとアルペンスキーやってるんです。あれは速いところだと120キロくらい出るんです」
「え? うちの子どもの習い事は、アルペンスキーなの!」
手洗い
今日、とあるビルでトイレに入りました。清潔で設備も新しく、気持ちよいトイレでした。洗面台も、手をかざすと自動的に水が出ます。
そして手を洗っていると、少しして出なくなりました。センサーにちゃんと反応していないのかと思って、何度か手を引いたり出したりしてみましたが、やっぱり出ません。仕方がないので、となりの洗面台に移って手を出しました。が、水が出ません。おかしいなと思って何度か手を出し入れしていると、先ほどの洗面台で水が出ました。
ジャージ
私は今、自動車学校に行っています。先日仮免に受かって、いまは路上に出ています。路上教習では、同じところを何度か通ったりします。
昨日の路上教習中ことですが、ある通りで、歩道の上に白い布が落ちていました。どうもそれはジャージのパンツのようでした。
しばらく走った後、またその通りにさしかかりました。ジャージはなくなっていました。
そして3度、その通りに来ました。ジャージは家の塀に掛かっていました。