今日たまたまある本を開いていて、ふと「いい絵ってコミュニケーションが取れる絵なんだな」と思いました。僕ではなくて、絵とお客さんとが互いに何かを投げかけて、受け止め合うような。
展示をしていていつも不思議に思うのは、絵を買ってくださる方が、描いた僕自身よりも絵に何かを感じておられるということです。それはどうしてなんだろうとずっと思っていたのですが、つまりはお客さんと絵が会話できているということなんだろうと思います。描いた僕を差し置いて(笑)。
そうなんです。展示会場においては、僕はあくまでつなぎ役で、あとは絵と見る人とが会話するのを待つしかないんです。会話が始まったら、僕はもうお役御免です。たまに会話のための話題を提供することはありますが。例えば「この絵はこういうところを丁寧に描きました」とか「自分ではここが気に入ってます」とか。
逆に、見る方がすぐに通り過ぎる絵はどんなものかも、すぐに想像がつきます。一方的にまくし立てていたり、自慢ばかりしていたり、見る人の興味のない話題ばかりを話していたり、あるいはわかる人にしかわからない言語でしゃべっていたり(現代美術はまさにそうですね)。
こんなふうに考えたきっかけは、ディック・ブルーナさんについての本でした。やっぱりディック・ブルーナさんはすごいなあ。
さてそれはさておき、今日描いた絵。↓
ではまた明日(たぶん)