11月も下旬。例年でしたら、シナノキの実やツルアジサイの花がらなど、なにかしらスケッチの題材が落ちている時期です。特に期待しているのはヤマブドウ。でもこれがここ数年全く見当たりません。
3年くらい前はすごく豊作で、たくさん落ちていたのですが、次の年からぱったり見なくなりました。去年は多かった栗が今年は少なかったので、野生の植物の実のなりかたはそういうふうにムラがあるのだと思います。
さて、今日は花カレンダーの5月。
本州では5月といえばバラですね。こうして見るとすごく華やか。やっぱりバラは華やかな植物だなあと思います。
ですが、僕の中ではここ数年難しさを増している植物でもあります。
はじめの頃はスケッチした印象をそのまま作品の絵に落とし込めていたのですが、バラを知れば知るほど何だか逆にわからなくなり、従来の描き方をなぞっても自分の中に違和感を感じるようになりました。
そのため、バラの作品を描くのは年に数枚となってしまっています。描けば描くほどにもつれた結び目がさらにもつれて固くならないように気をつけながら描きました。
2月の冬芽の絵と同様、自分がスケッチした時に感じた印象をコメントとして添えています。これは自分自身に対して、もう一度最初の印象に戻ろうというメッセージでもあるような気がします。結び目をいったん見直して、緩める糸口を探したいです。
でもこういう作品ではなく、日常でバラを見たときのスケッチに関しては、変わらず描いていますし、それを展示にも出して販売しています。僕は今はこういうバラの絵のほうが好きかもしれません。自分なりに解釈し直したバラではなく、その場の姿を自分なりにとどめておきたい、そんな絵(スケッチ)がいいなと思います。
ではまた明日(たぶん)