意外にキレがいい!

邦画は好きではありません。特に時代劇は。もっちゃり感というか、展開とか絵づらとかに驚きというか、意外性というか、キレがないような気がするからです。
いま、時代劇で「たそがれ清兵衛」が人気だそうですが、藤沢周平原作ということや、キャストの意外性のなさもあって食指は全く動きません。
藤沢周平さんは「用心棒日月抄」しか読んだことがないのですが、それはすごくおもしろかったです。でも食べ物が出てくるシーンでは池波正太郎の方がずっとおいしそうだったり、展開の豪快さ(荒唐無稽さ)では柴田練三郎の方が圧倒的にスケールがあったり、ジンとくるストーリー作りでは山本周五郎の神業にかなわなかったりと、いまいち「得意技」がなくてどれも平均点、という印象でした(えらそうにすいません)。
でも私は年に2,3回、やたら時代小説を読みたくなることがあって、先日も古本屋で物色したところ、ピンとくる本がなくてなんだか消去法でこの本を買いました。
が、すごくおもしろい。
なにがおもしろいって、その切れ味の良さ。表題の小説も含めて、短編がいくつか入っているのですが、どれも短いページ数でスパッと展開する。主人公が「いいところ」を見せるシーンだって、スパッと終わる。「たそがれ清兵衛」なんて、もうほんの…ネタバレになるのでやめておきましょう。
どれもスパッと終わるので、読後感がまたすがすがしい。1話が終われば、その余韻をかみしめる楽しみもあります。
おすすめです。