北海道での宿根草の栽培

本州では夏越しが難しいといわれている宿根草も、北海道ではよく育ちます。というか、中には広がりすぎて困るものさえあります。
実際のところ、基本的なことを知っておけば、手入れの方法などほとんどない!と言ってよいくらいです。
・肥料は与えなくても花は咲く。気になるなら与える
・植え付けや株分けは、真夏と真冬以外いつでもいい

だからいちいち書かなくてもいいんですが、いちおう季節を追って説明します。アウトラインだけ掴んでいればいいかなと思います。

 雪解け〜5月

気温が上がると宿根草が活動をはじめます。だからこの時期に肥料を与えると効果的。でも与えなくてもたいていの宿根草は元気に育ちます。
むしろ広がりすぎて困るものもあるので、株分けなどの作業のほうが、春は大事。

株分けや植え替えはこの時期か、秋の入口がベストです。根をいじられて一時株が弱っても、気温が生育に丁度いいので短期間で回復するからです。ミントやラ ミウム、ラムズイヤー、オーブリチアなど広がりすぎるものは、1〜2年に一度は株分けが必要になってくると思います。

また新しく買ってきた苗の植え付けもこの時期に。そして深さ30cm以上掘り起こし、土に腐葉土や堆肥をたくさん混ぜて植え付けます。周囲の面積もたくさん取ります。最初は株が小さいので物足りないかなと思いますが、1年たつと土が見えないくらい広がるはず。

6〜7月

どんどん成長して葉が広がります。花もたくさん咲いてくることでしょう。花が終わったら、花径を切除しましょう。花がらが残っていると見栄えが悪くなるだ けでなく、タネの充実に栄養を使ってしまうからです。もちろん、タネを収穫したい場合にはそのまま残しておきます。

7月になれば、新たに肥料を与える必要はありません。というか、与えないほうがいいです。気温が適温を超えると植物は活動が鈍りますので、肥料をあげてもあまり意味はないんです。

15〜25℃くらいが植物の活動が活発になる気温で、寒すぎても暑すぎても活動は低下し、さらに行き過ぎると休眠します。つまり宿根草にも夏休みと冬休みが必要です。

 8月

暑くても活動するのは熱帯原産の植物だけ。それ以外の植物は活動が小さくなります。活動が小さいと成長もしません。そのための肥料も必要ありません。

地植えにする宿根草で熱帯出身の品種はないので、肥料は与えません。
宿根草はお休みです。気温が下がってくるお盆明けくらいまでは夏休み。

何をしているんでしょうね。バカンスにでも行っているんでしょうか。

9月〜10月上旬

暑くても活動するのは熱帯原産の植物だけ。それ以外の植物は活動が小さくなります。活動が小さいと成長もしません。そのための肥料も必要ありません。

地植えにする宿根草で熱帯出身の品種はないので、肥料は与えません。
宿根草はお休みです。気温が下がってくるお盆明けくらいまでは夏休み。

何をしているんでしょうね。バカンスにでも行っているんでしょうか。

10月中旬〜11月

株分けしたものがちゃんと成長しているかチェックしておきます。

越冬するか心配な品種や、秋に株分けしたもの、あまり元気ではなさそうな株は、雪がつもる前に、株の周りに腐葉土などをしきつめておくと、ふとん代わりになります。さらに心配なものは、上に鉢をかぶせておきます。

いちおうこれから寒くなるので、もう株分けとかはするなというのが定説です。
初心者向けには。

プロになると秋遅くに植え替えとか株分けをして、そのまま冷凍保存みたいな感じで冬を越させる人もいます。まあこれは秋の植え替えというよりも、春植え替えを先取りしてやってるみたいなものです。春は忙しいですから。

来年に新しくバラや宿根草、樹木を植える予定のある人は、その場所の土壌づくりを今からしておくと良いです。春からやるよりは、今からのほうがいいらしいです。

12月

雪がふったら、できるだけ株の上につもるようにしましょう。雪の下はあまり気温が下がらず、寒く乾燥した風から株をまもってくれます。

1〜4月

雪が積もっている間は何もすることがありません。ゆっくり次のシーズンの庭のことでも考えましょう。