クリスマスローズの育て方

本州では難しいとされるクリスマスローズですが、北海道の庭ではおどろくほど簡単に楽しめます。特にここでは、庭の植栽として一般的なオリエンタリスハイブリッドを念頭に説明します。
基本的なポイントは2つ。

  1. 肥料を与えるなら5〜6月。与えなくてもよい
  2. できれば日なたに植える。いや、半日陰かなあ。

買ってきたら

だいたいクリスマスローズ展などが開かれるのは2月3月で、北海道ではまだ雪が庭を占領してます。でも欲しくなって、まだ植えられもしないのに買ってきてしまうものらしいです。
新しく買ってきた株は、雪が溶けるまでは玄関フードなどにおきましょう。家の中はNG。あったかすぎるから。
だから本当は雪が溶けるまで買ってこないほうがいいんです。
でも「かわいいから買っちゃった〜」という人は、鉢の土が乾かないように、時折水を与えておきましょう。

植え付けは雪解け後しばらくして、地温が上がってから。GW後半以降。

クリスマスローズは根を深く張るので、50cmほど土を掘り、腐葉土や牛ふん堆肥などをたくさん混ぜておきます。50cm掘るのはかなり大変です。頑張りましょう。

また一般的には半日陰を好みますが、北国では日差しが弱くて生育期間も短いため、日なたに植えた方が株が充実します。
と言う人と、本来林の中に咲くものなんだから半日陰に植えろ、という人がいます。

結論は、わかりません。
10年以上日なたで育てている人がおっしゃるには「日なただと株の老化が早い」ということです。
でもしっかり光合成して、花を咲かせる体力を養いやすいのは日なたです。

ま、日陰以外ならあとはあなたのお好みでチャレンジを。

雪解け後は枯葉だけ取って

枯れて茶色くなっている葉は、取り除きます。緑色の葉は残しておきましょう。

肥料は置き肥を与えます。たくさんは要りません。ほかの宿根草と同様、与えなくても花は楽しめます。

肥料はあまり長く効かせないことがポイント。クリスマスローズの生産者に、7月には切れるように調整すると聞いたことがあります。

花は5月

4月下旬〜5月頃に開花します。花と呼ばれているものは「がく」なので、開花期は長いのが特徴。中央にタネがつきだしたら、花茎の根元から切ったほうがよいでしょう。タネの充実に株の養分が取られてしまうからです。

切った花は切り花としてかざるのがグッド。

夏は何もしない

30℃近くになると、クリスマスローズの活動は小さくなります。肥料を与えても吸収せず、むしろ根腐れの原因に。植え替えなどをすると、その後の回復が難 しくなるので避けた方がよいでしょう。人が夏休みを取るように、クリスマスローズにも夏休みをあげて、何もしないでおくのがベスト。

秋も何もしない

クリスマスローズに限らず宿根草の秋は、冬に向けて越冬の体力をためる時期です。
でも、秋にクリスマスローズに肥料を与える人は聞いたことはないです。

冬はちょっとあるかも

クリスマスローズは常緑の植物。枯れただけ取り除き、あとは残しておきます。弱々しい株はまわりに堆肥などを敷き詰めてふとん代わりにしておくとよいでしょう。

もし花の色が変わったり一重に戻ったら?

園芸店やクリスマスローズ展では、数千円〜2万円もするような珍しい品種がたくさん並んでいます。八重咲きであったり、緑やアプリコット、黒色など滅多に 見られない色であったりします。これらを買ってきた翌年や、数年後に、なんと色が一般的な赤茶色になったり、八重咲きが一重になったりすることがありま す。

「どうしよう、夫のゴルフクラブのことをさんざん無駄遣いって言っておきながら、私の2万円のクリスマスローズが1000円の株みたいになっちゃった!」

これは肥培管理が十分でなかったせいです。

珍しい株はそれなりの扱いをしないと、それなりの姿に戻ります。
紅白の小林幸子さんや美川憲一さんがそうであるように、奇抜な衣装にはそれなりのコストがかかるらしいです。
そこで春のあいだは肥料を与えるなど、きちんと株が充実するように手入れをしてあげると、翌年には元の姿にもどります。