3つの名前を持つ女、というと妖しいイメージですが、植物はどれも名前を3つ以上持っています。
「あら、かわいいお花。バプティシアっていうのね。これはまだうちにないわ」と買って帰ります。
すると庭にはまったく同じ花が「ムラサキセンダイハギ」の名札をつけて咲いています。
同じ植物でもたくさんの名前が付けられています。
1つは和名。
サクラ、バラ、シナヒイラギ、ツツジ…。などがそうです。
もう1つは英名。
チェリー、ローズ、チャイニーズホーリー、アザレア…。
もちろん、フランスに行けばフランス名、ドイツに行けばドイツ名があります。
すると各国で混乱するので、学名というのが全世界共通で決められています。
Prunus、Rosa、Ilex cornuta、Rhododendron…。
学名は、地球上に存在するすべての植物に付けられています。
これで統一すれば、同じ花をまちがって買ってくることがないですし、お友だちや園芸店の店員さんとも話が食いちがうこともありません。
いかんせん、かたくるしいのが難点ですが。
ほかに商品名やブランド名、シリーズ名というのもあります。
例えば、サフィニア。
サントリーが開発したペチュニアの商品名です。
イングリッシュローズ。
イギリスのデビッド・オースチン社が品種改良しているバラのブランドです。
シャンテ・ロゼ・ミサト。
フランスのバラの種苗会社、デルバール社がつくりだしたバラの1つですが、日本での流通名です。フランスやイギリスでは別の名前で売られています。
さらにやっかいなことに、あまり園芸に詳しくない切花店では、仕入れ伝票に書いている文字をそのまま名札にしているところもあります。
例えば、マラコ。
プリムラ・マラコイデスのことだと思います。
ユリウス。
たぶん、コリウスを見まちがえたのでしょう。
みなさんも、ご注意を。
ウエブマガジン開設おめでとうございます。楽しみがまた一つ増えました。